設立に当たって
NPO法人 日本モティベーション協会
会長 吉 田 正 春
NPO法人 日本モティベーション協会は、平成18年6月26日、正式に発足するに到りました。
これも偏に関係各位のご支援・ご協力の賜ものと改めて深謝申しあげます。
ご承知の通り、モティベーションという言葉は、1995年頃から新聞・テレビなどで頻繁に見聞きされるようになりました。日本語では、「動機を与えること」、「動機づけ」として、スポーツ選手により多く使われております。また、最近では学校教育の場、企業・組織の研修等、あらゆる場面で使われるようになりました。
一方、モティベーションという言葉の使い方には違和感を覚える場面が多々見受けられるようになってまいりました。指導者の中には、現代の若者たちに嫌われる"根性"・"精神"などという言葉に置き換えて、「モティベーションが低いから負けた」、「モティベーションが足りなかった」などと使い、根性論・精神論の延長線上に位置づけているケースさえ見受けられます。
本来、モティベーション(Motivation)の語源は、モーティブ(Motive=理由・目的・目標)とアクション(Action=行動)の2つの言葉から成り立ち目標を目指した行動という意味であり、しかもそれは個人的なものです。つまり、真のモティベーションとは、その人個人にとって最も価値ある目標を実現(達成)できるという信念と期待に支えられた欲望、そしてそれに向って行動することに他なりません。
現実問題として、モティベーションという言葉が使われている場面で、どのようなことが起こっているか、次の2つのケースが考えられます。
ひとつは、懲罰や強制を基礎とした恐怖によるモティベーションです。これは、もし行動しないと何らかの処罰が与えられるであろうという恐怖を前提としたモティベーションです。この恐怖によるモティベーションは、誰かが恐怖を与えなければなりません。しかも、人は恐怖に対して免疫を持ちます。指導者が指示しない限り、積極的な行動をとらなかったり、指導者の指示する期待範囲内に行動をとどめるものであります。したがって、恐怖によるモティベーションは外部的で、一時的なものであり、人びとの成長や能力を充分発揮させることには到底役立ちません。
次に考えられるのは、報酬によるモティベーションです。仕事で頑張ることに対するボーナスやさまざまな賞がこれに当たります。人びとは、確かに働きます。しかし、これもある程度のところまでです。その報酬に慣れてしまうと、だんだん働かなくなってしまいます。それは、報酬もやはり一時的な、外部からのものであり、恐怖と同じ弱点をもっているからに他なりません。
われわれが伝えたいモティベーションの真の姿は、変化することに基づいた心構えによるモティベーションです。人びとの考え方を変えることによる心構えのモティベーションは内面的なものであり、外的なものではありません。これこそ成長や能力を発揮するという効果を挙げる唯一の方策です。つまり自分が自分自身をモティベートするのに、誰も他の人の力に頼ることはないということです。
今日の社会において、現在、人びとが自分にとって最も価値ある目標とは何であるのかと真剣に考える場や機会は非常に少ないといわざるを得ません。また自身の置かれている環境や周りの人びとが置かれている環境の中で、目標を持つことさえ諦めている場合もあります。しかし、心構えによるモティベーションこそ、誰でも、どのような状況におかれていても、その人の成長や能力を発揮させることが期待できるのです。
そこで、発起人会は考えました。社会教育、学術、分化、芸術、スポーツなどで活躍するさまざまな著名人による講演や、モティベーションに関するセミナーの開催、スポーツ指導者の派遣等によって、先ず人びとに「自分にとって価値ある目標とは何か」を考えるきっかけを与え、夢や希望を持ち始めるきっかけを提供できればと願っております。さらに具体的には体験発表や交流等により「目標を持つことの素晴らしさ」、「目標の前に立ちはだかる困難にその人はどのように対処し克服したのか」、「どのようなやりがいや生きがいを感じて日々を送っているのか」を伝えてもらうことにより、いっそう充実した内容となるはずです。
この目標を達成するため、われわれは「NPO法人 日本モティベーション協会」を設立しました。これは日本の将来を担う若者たちや、今まさに活動しているスポーツ指導者、経営者、教育者等を対象にして、モティベーションに関する知識の普及とその活用のための事業を通じて、個人的にも、社会的にもトータルパースンとして充実感を体感できる社会を実現していくために寄与します。
NPO法人 日本モティベーション協会は、まさにわが国の今日の社会的要請に応えるべく誕生いたしました。当協会の主旨に賛同される団体・個人の方々に出来るだけ多くご参加いただきたく、入会をお誘いしております。
吉田正春プロフィール
・ 総務省出身
・ 総理大臣官邸長として20年間、歴代総理大臣に仕える